たばた歯科クリニック
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歯周病は歯周病菌による感染症で、歯周病菌はバイオフィルムやプラークなどの頑固なバリヤに守られ、
ご自身のハミガキだけでは除去できません。
歯周病は、人類史上最も感染者の多い感染症として、ギネス・ワールド・レコーズに認定されているほど、多くの人がなる病気であるにもかかわらず、まるで生活習慣病のように思われがちですが、れっきとした感染症です。
また、せいぜい歯ぐきから血が出る程度のもので、直接生命に関わる病気ではないと思われがちですが、これまでに、糖尿病、動脈硬化、自己免疫疾患、心臓血管障害、腎臓病、肥満など、生命に関わるような、重い全身疾患につながることがわかっています。
お口の中には、数百種類もの細菌が存在し、微妙なバランスを保っています。しかし、そのバランスが崩れ、「歯周病菌」と呼ばれる菌が、自身で出すネバネバした粘液による「バイオフィルム」という膜状のバリヤのようなものを作り、それに守られながら、歯と歯ぐきの境目の部分で異常増殖をはじめると、歯周組織に異変がおきてきます。
歯と歯ぐきの境目の部分で異常増殖した歯周病菌は、歯と歯ぐきのくっつきをはがし、「歯周ポケット」と呼ばれる隙間を作っていきます。歯周ポケットができると、歯周病菌はどんどん深くまで入り込み、とうとう、歯を支える骨である「歯槽骨」を溶かしてしまい、最後は歯が抜け落ちてしまいます。
健康な歯と歯ぐきの境目の部分の場合、バイオフィルムを作っている菌の大部分は、常在菌(グラム陽性好気性球桿菌=空気を好む菌)と呼ばれるものであり、歯周病を起こしません。
一方、歯周病の歯周ポケットの中では、バイオフィルムを作っている菌の大部分は、歯周病菌(グラム陰性嫌気性球桿菌=空気を嫌う菌)と呼ばれるものです。このように、健康な歯と歯ぐきの境目と、歯周病の歯周ポケットのバイオフィルムの細菌のバランスには、大きな違いがあり、歯周病になってしまった歯周組織を健康に戻すためには、お口の中の「歯周病菌の絶対数を徹底的に減らす」必要があります。
中高年や高齢者だけでなく、若年層でも注意が必要です。
日本人の歯周病の状況をみてみると、ピークは50代で、全体の87.4%にも及びます。高齢者の数値が減っているのは、すでに歯周病などで歯を失ってしまっているからです。
さらに言えるのは、10台の46.5%、20代の70.9%の歯ぐきに炎症などの病変があるということです。歯周病は決して中高年や高齢者だけの病気ではなく、若いうちからどのように対策をしていくかが非常に重要となります。
あてはまる場合、歯周病やその前兆かもしれません。
このような場合は、まず歯周病を疑ってみるべきです。
放置しても良いことはないので、できるだけ早期に、歯科医院を受診するとよいでしょう。